デジタルオーディオについて [序幕]

最近Wax Alchemyに問い合わせが多い、マスターデータ(デジタルデータ)について描きます。

当たり前ですが〝データ〟ですので、デジタルの話です。

 

CDJでデジタルデータをプレイしたり、

録音やデジタルアーカイブ時のフォーマット選択、

デジタルで音楽を購入したり、CDからPCに音楽を取り込んだりと

パソコンで音楽を取り扱う時に目にする音楽メディアフォーマット(拡張子)の種類です。

 

特にWax Alchemyでダブプレートカッティングをする方や、

人に音楽を聴かせる立場の方々には熟知して頂きたい内容です。

このトピック自体もかなり奥が深いので、数回に分けてお伝え致します。


デジタルデータですが、、、

MP3, AAC, WMA, MP4, BWF, ATRAC, AIFF, WAV, TAK,  とかとか、かなりの種類があります。

もちろん私も馴染みがないフォーマットはありますが、ここで質問です。



上記フォーマットでどれが最良でしょうか?



検討もつかない方は、この機会に!

今回はmp3等の圧縮音源、wav, AIFFのPCM非圧縮音源からハイレゾ音源の違いについて描きます!

 


何それ!?って方も、気にしたことが無い!って方も、違いが良く解らん!って方も、

もう少しだけこのまま読み進んでみて下さい。

 


簡単に言いますと、『mp3聴いてると耳が腐るぞ!』ってとこまでは行きませんが、

デジタルオーディオのフォーマットの違いです!何がどう鳴ってるのかを噛み砕いて行きます!

 



まず音楽メディアは超大きく分けてアナログデジタルに分かれます。

解りやすいように、視覚的に例えて話を進めてきます。

 


まず、あなたの周りを見回してみて下さい。



今観ている、感じている、存在している世界がアナログ(英Analogue, 米Analog)です。

触ったり、匂いを嗅いだりできます。フィジカルです!


そして今あなたが観ている画面の世界がデジタルです。肉体的には存在していませんが、

データ(数式)として存在(再現)されています。


 


このアナログの世界には良いも悪いもありません。あるとすれば、それは個人の感じ方の差です。


ですが、デジタルの世界にはこれが明確に良し悪しがあり、解像度と呼ばれるものがあります。

どれだけ鮮明かという事です。この場合の鮮明は、どれだけ〝現実的〟なのかという事です。

 


話を音楽メディアに戻します。デジタルデータに関して、この〝解像度〟〝再現度〟は、

オリジナルデータ(マスターデータ)に対してどれだけ再現度があるかです。

レトルトカレーがどれだけ本店の味に近いかです。



一番良しとされるのは、マスターデータです。(アナログテープ、高解像度のデジタルデータなど多種多様)

音楽を皆様に届ける為に、アーティスト、プロデューサー、エンジニア達は膨大な時間とお金と愛情を掛けて、

このマスターデータを作成します。

 


ここから、CDやデジタルダウンロード用のコピーを複製(作成)していくのですが、

一般的なCDの解像度は44.1kHz / 16bit、周波数帯域は20Hz〜20kHzと決まっております。

(この数字については後ほど解説致します。)

 

諸説ありますが、記録メディアに複製するので、劣化を最小限にする為に

マスターデータはその複製物よりも、より高い解像度で作成される必要があります。

ざっくりですが一般的な流れで、下記のようにクオリティーが下がって行きます。

 

 

オリジナル・マスターデータ (96kHz / 32bit)

CDデータ - 非圧縮音源 WAV, AIFF (44.1kHz / 16bit)

圧縮音源mp3 (44.1kHz / 128kbps)

Youtube (???)

 

 

流れは把握出来ると思いますが、これが実際どれくらい劣化して行くのか!?

楽曲制作者、エンジニア、関係者以外はマスターデータを手にする機会はないと思いますので、

一般ユーザーが手にする事の出来る〝CD〟が最良の音質だと仮定して進めて行きます。

 

 


1曲5分くらいの楽曲だとして、データ量でみてみると、、、

CDデータ - 非圧縮音源 WAV, AIFF (44.1kHz / 16bit) は 40MB

圧縮音源mp3 (44.1kHz / 128kbps)は 4MB

 


 

見てお判りのように40MBから4MBまで圧縮されてしまいます。

データ量だけでいうと1/10に鳴ってしまいます。

 

モザイクのカクカクが10倍になります。おそらく映像だと成立しないほどの劣化です。

ですが、実際にこのMP3がCD音質に比べて、

聴覚的にも1/10に鳴っているかというと、そうではありません。



おそらく、CDとMP3を聴き比べても大きく差を感じないという方は多いと思います。



なぜならこのMP3エンコード圧縮という技術は素晴らしく、しっかりと音響心理学にもとづいて、

人間の耳に聴こえない、聴こえにくい音を圧縮しています。ここが映像や画像と大きく違った点です。

音声圧縮は人間聴力専用の圧縮方法で、他の生命体には全く違った音になります。




人間の聴力はとても興味深く、様々な特性があります。

例えば、騒音のなかで、〝お〟〝は〟〝う〟〝ご〟〝ま〟〝す〟と聴こえても、

〝おはようございます〟と前後の言葉を経験と知識から補って脳内再生出来ます。

視覚でいうと〝ち◯こ〟が何なのか解ってしまいます。


【マスキング】

例えば、大きな音〝銃声〟が少し離れた所で鳴ったとします。

それと同時に隣のおっさんが〝くしゃみ〟をしたとします。

聴覚的には明らかに両方の音が耳に入っても、おっさんのくしゃみは聴こえなくなったります。

エアコンを消すと、時計の秒針が聴こえ始めます。完全無音だと自分の鼓動が聴こえ始めます。


【可聴範囲】

人間は20Hz~20kHzが可聴範囲だとされますが、これをフルレンジで聞き取れる人はなかなか居ません。

そして、これを完全に再生出来るスピーカーシステムはとても高額でなかなか手に出来ません。

この20Hz~20kHzをもっと狭めたとしても、多くの人はその変化を聞き取る事は出来ません。



こういった人間の耳の特性を利用して、音楽が成立すのに支障の無い音声信号を圧縮しています。

逆に言うと、1/10に圧縮しても人間はさほど変化無く音楽を聴く事が出来ます。


〝じゃあ、MP3で大丈夫でしょ!?〟っと思う方もいらっしゃると思います。



しか〜〜〜〜〜し、しか〜〜〜〜しです!



これは音楽をBGM=Back Ground Musicとして聞いている方々には、この圧縮音源は問題無いかもしれません。

カフェのBGMがMP3でもどうでもいいです。この場合は珈琲がメインですから。

友人のパソコン内蔵スピーカーから流れる音楽のフォーマットなんか気にした事ありません。



しかし、我々音人は音楽をバックグラウンドで聞くのではなく、

五感、いや六感、七感で音楽を〝聴〟きます!圧縮音源は死活問題です。


まともなサウンドシステムで再生すると、

可聴範囲外のサブソニック(超低音)からスーパーソニック(超高音)も人間は振動や肌で聴き取ってしまいます。

本当に五感以上で音を聴き取ります。人間の聴力は凄いんです!


っというわけで、次回はこの可聴範囲外の音が、どれだけ粗悪に鳴っているかを

実際のオーディオデータとともに解説したいと思います。



それではまた!


Who Said Vinyl is DEAD!?     by Wax Alchemy

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