”この新譜もレコードないのか!!??
再発とかいいよ、出さなくて。売れるとわかっているものを出すのが何が楽しい?メーカーの仕事は市場を作ることだよ。マーケットドリブンで仕事して、何が楽しい?コグニティブコンピューティングが本格化したら、
そういう仕事はいらなくなるよ。”
今年一番ブッ刺さった、私のレコード師匠のパンチライン。
未だに刺さりっぱなしで、そこらへんのトゲ抜きじゃ、抜けそうにないです。
なんか、ここずぅーーーっと、音楽業界こんな感じでしょ。
メーカーだけに対してじゃなくて、レーベル、販売店、クリエーター、
作曲家、ディレクター、イベンター、DJ、クラブ、ライブハウス、ラジオ、リスナー、そして俺。
いや、別に再発自体が悪い訳じゃなくて、金の匂いしかしない再発はさっさと消えればいいって話で、シーンに新しい風を起こそうとする再発レーベルや企画の事じゃないんす。"みんなコレ買いそうだから出そうぜ"って奴らのブレインの事。っで、肝心の出るべきものが闇に葬られる。
過去の産物にしがみつくほど、今の音楽業界は衰退してしまったのかと危機感すら覚える。
まさに〝温故恥心〟
イベント撃つにしても、◯◯は集客が多いとか、ゲストの集客に頼ったり、
このアーティストは◯◯の開場でSoldだから料金払ってBookingしようとか、
自主制作で◯◯枚売れたから契約しましょうだとか、
この商品前回即完だったから、仕入れましょうか?だとか、
どこどこで流行ってるから、買ってみようだとか、
売れてるから、こっちでも売りませんか?だとか、、、
前例がなきゃ、勝負に出ない。ってかそんなの勝負じゃない。
実は僕も今やってるレコードカッティングを以前所属していた会社に事業プレゼンをしたり、まわりに開業のプレゼンをしたりしました。一緒にやってみないか?って声かけた人もいました。みんな真剣に考えてくれて、沢山の助言頂きましたが、やはりダブカットだけで飯食おうなんて奴は周りに前例が無いでしょうから、こぞってみんな『大丈夫なのか?』『ニーズはあるのか?』『金額設定はこれでいいのか?』『家族は大丈夫か?』って話になります。
月間・年間の収支をだしてみたら?って言われたとき、もはや返す言葉がありませんでした。
だって未知ですから。そんな不毛な時間があるなら、僕のレコードを一枚でも現場で舞わしてくれる人間を捜します。って言える訳もなく。正直そのときは、結婚もしていて、守るべきものもありましたが、計算して金儲けできるのは会計士だけですし、もう突っ走るしかなかったんです。
金になる事をするんだったら、僕は最初から『音楽』なんかやってませんよ。
『カッティングマシン買おうと思ってんだよね!』って言っても、
『バカ言ってんなぁ』って思われてたのも、分かってます。
でも僕は逆にこの反応で勝算を感じました。前例がほとんどなく、マーケットも、ニーズも全く持って不明。これこそが最大のチャンスだと勝手に考えて、突っ走ったのが今のWax Alchemyです。昔は「大丈夫なのか?」って心配してくれた方々も、最近は「忙しそうだね!」に変わってくれました。
話ズレちゃいましたが、
市場は創る物です。"カッコいい"はこっちから仕掛ける物です。
赤海だとか青海だとか、そんなちんけなマーケティングはどうでもいいんです。
本気の奴は砂漠にオアシスを創りますから。
今本当にかっちょ良いもんを届けるのが音楽なんじゃないでしょうか?
以前ある職人さんが言ってました、
『食えるか食えないかは弐の次、
やりたい事をやってるかが重要』だと。
Wax Alchemyもサービス開始して約二年経ちました。
やりたい事は増えて行く一方です。
こんな感じで常に頭いっぱい、胸いっぱいです。
何かが満ちては消えて行く現代社会に、
夏にまた一つ勝負に出ます。
今月末くらいには、正式に発表予定です。
"Wax and Wane"
[wáx and wáne]
(1) 〈月が〉満ちたり欠けたりする.
(2) 盛衰[増減]する.
みなさま、引き続き応援宜しくお願い致します。
それではまた!
Wax Alchemy - 諏訪内 保
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