See Behind The Words

『アナログレコード盛り上がってますね!』

『カッティングの仕事を始めたタイミングが良かったですね!』

 

最近物凄く言われるこのフレーズ。

特にレコードの事を知らない方々に言われます。

 

僕の仕事に対する会話の切り出し程度だと思って

いつもありがたく受け止めさせて頂いておりますが、、、

はっきり言って違います。全く違います。

 


『アナログレコード盛り上がってますね!』

 

 

確かにレコードプレス工場やマスター盤製作の本数や

工場の稼働日数が多くなったのは事実ではあるが、、、

 

それは、80年〜90年代にCD生産が主流となって、

金に目が眩んだアホな会社がレコード事業から撤退して、

早々とカッティングマシンを手放してしまったからです。

 

ブレずにレコード事業を貫いたところが、 今フル稼働しているだけです。

昔はどこでもできたのに、 今は出来るところが少ない。。。 それだけの話です。

 

ガンガン都市開発して、緑が欲しいと嘆く矛盾です。

CDが開発されてざっくり30年経ちますね。

 


我々アナログレコードに身を置く人間からすれば、

アナログレコードが盛り上がっている感じは一切しないはずです。

 

熱狂的な野球やサッカーのサポーターに 『盛り上がってますね』って言ったところで、

『は?』っと言われるだけです。 なぜなら、常に盛り上がっていますし、

盛り上げている一員だからです。


リリースされるレコードの本数は明らかに増えていますが、

それはCDを売っているメジャーレーベルからの謎めいたアナログリリースが増えたからです。

我々が普段買っている、 昔からこだわってアナログレコードをリリースしている、

信頼のレーベルからの本命のアナログレコードのリリース本数はそんなに変わっていないです。



レコードストアデイ


来月の開催ですね!

何十年もブレずにレコードを愛し続けた猛者達の祭典に、

レコードが売れると言うデマを聞き付けた、

メジャーレーベルによるカッティングスタジオとプレス工場の独占。


本来レコードストアデイでリリースされるべき『本物』のアナログレコード達は、

大手の参入により納期が間に合わない事実。

届けるべき物に変わって届いてくる傷が彫られた黒い円盤。


塩化ビニールの香りのかわりに、金の匂いしかしません。

そんなのレコードじゃないし、すぐに中古市場に出回って、

最悪のバッドプロモーションを繰り広げるだけ。


我々が望んでいるのは『グルーヴ』と『魂』が 刻み込まれた正真正銘のアナログレコード。

セールスやリリースが増えたのなんて、 僕らのレコードライフに一切の関係もないし、

 

結局どうでもいい。 ただひたすらに最高のグルーヴで魂を躍らせたいだけ。

 

 


『レコードカッティングを始めたタイミングが良かったですね!』

 


全然そんな事は無い。正直もっともっともっと早くに始めたかったし、

世間が言うレコードブームに乗っかっている気もしない。

レコードブームに乗っかって僕がレコードのカッティングを

始めたと思う人がいたら、そいつとはもう話す事は無い。

 

そもそも金儲けしようとしてたら、僕は『音楽』をやっていないし、

もっと効率よく金を稼ぐ方法が世の中にあることは最近の高校生でも知ってる。

 

Wax Alchemyにいらっしゃる方々の多くは僕に、

『もっと君に早く出会いたかった。』

『10年前に知り合えていたら、、、』

『ようやく出会えた』っと言ってくれます。

 

嬉しい話ですが、 僕がこの仕事を始めたのは、はっきり言って遅すぎるという証拠です。



たしかに、レコードを知らない若いデジタル世代の方々には、

レコードはまったく新しいフォーマットかもしれません。


最近よくアナログレコードデビューをしようとしている方に質問されるのは、

〝安くて良いターンテーブルって何ですか?〟


そんな物はありませんし、

ターンテーブルにお金をかける事が難しい金銭感覚の人は

肝心の『レコード』にお金を出せないと思います。


長い長いレコードライフでターンテーブルに使うお金なんて、

レコードにかかる金額の数百分の一です。


レコードが盛り上がっている、

レコードが売れている、

レコードが面白い、

などなど様々至るとこで耳にしますが、


レコードを聴かなくなった人

レコード生活に終止符を打った人も

沢山いるという事も知って頂きたいです。



それではまた!


Who Said Vinyl is Dead!?

スワナイ タモツ